マニキン・エレクトロニック : メモトロン M2D |
2021年9月に導入した、新機材です。いわゆる「デジタル・メロトロン」。現在、デジタル化されたメロトロンって、海外の2社で作られていて、1つはスウェーデンに本拠地を置く、本家「メロトロン社」。もう1つがベルリンに本拠地を置く、「マニキン・エレクトロニック社」。 この2社の製品、若干コンセプトが異なっていて、本家のメロトロンは、良くも悪くも「オリジナルのメロトロンの忠実な再現」を目的として作られていて、曰く「あたかも中でテープが廻っているような」サウンドです。それに対して後者の「メモトロン」は、メロトロンをベースとしながらも、「プレイバック・サンプラーとして、オリジナルより良い音で鳴るように」考えられています。なので、ともべはこのメモトロンの方を選びました。 いわゆるストリングスやフルート、ブラスなんかは「いかにもメロトロンな音」なんだけど、混声合唱(クワイア)の音となると、いかにもメロトロンな音から、もっとリアルな音まで、とても良いサウンドが出ます。あと、音のエンべロープも多少修正できるしね。個人的には、「クワイア・サウンド専用機」として、今後活用していきたい1台です。 |
シーケンシャル : プロフェット5・モジュール |
2021年4月に新規導入した(たぶん、日本に輸入されてきた1stロット)ニュー・カマーです。復興したシーケンシャル社が、オリジナルのプロフェット5を完全アナログ回路で復刻させたのに続いて、その鍵盤なしのモジュール・バージョンを発表したものです。もー、飛びつきました(笑)。アナログのポリフォニック・シンセとしては、愛用するポリシックスとの使い分けをしたかったんです。 基本的にはオリジナルのプロフェット5を踏襲しているんですが(とか言っても、実機は触ったコトないんですが...)、特筆すべきはフィルターに、オリジナルのRev1、Rev2で使用されていたSSIのチップと、Rev3で使用されていたカーティスのチップの両方を搭載していることです。この両者、かなーりキャラクターが違ってて、特にSSIチップのほうがより「古き良き時代の」アナログ・シンセのサウンドがします。さらに、「ビンテージ」なるノブが付いていて、「あえて回路の作動を不安定にすることによって」昔ながらサウンドを再現できるようになっています。この2つの仕組みで、非常に「味のある」サウンドが出ます。 色々いじってみたんですが、やはりポリフォニック・シンセなので、あまり複雑な音作りには向かないですね。(まあ、使い方次第ですが...)。 音は前述のポリシックスと比べて、とても太くて力強いです。逆に言えば、ポリシックスのような繊細なサウンドとは、またキャラクターを異にしています。なので、この2台は棲み分けが可能です。 あと、この本体だけで音作りしても良いのですが、上の写真のように3相コーラスをつなぐと、より「音楽的に良い音」になりますね。 |
エリカ シンセ : シントラックス ( Erica Synths SYNTRX ) |
2020年12月に導入した。最新機材です。 ラトヴィアのシンセメーカー「エリカ・シンセ」が、往年の名機「EMS AKS」を復刻させたのが、この「シントラックス」( Erica Synths SYNTRX )です。2020年11月に、日本にも上陸しました。 個人的には、オリジナルのVCS3もAKSも触ったことはないんですが、このシントラックスを触った個人的な印象は、「これは、もはや「楽器」でわ、ない」(笑)。 EMSが「あまり音楽的なシンセではない」ことはウワサには聞いていたんですが、まさかこれ程とは...「電気的に音を合成、もしくは加工する、ただの電子回路」といった表現が、一番ピッタリくるかと思います。ただ、他のシンセには見られないユニークな点が山ほどあって(代表的には、パネル中央にある例のマトリックスボードとか)、いじりまくっててこれほど楽しいシンセも珍しいかもしれません。(でも一歩間違うと「ただの高価な雑音発生器」なんですけどね...(笑)) ただ唯一の問題は、「このシンセの音、自分の音楽の中で、いったい何に使うかなぁ〜??」(大笑) |
ローランド : リズム・コンポーザー TR−707 |
学生時代から愛用している超オールドなリズム・マシーンで、コレは2台目。初代がすっかり老朽化して、リズムがヨレるようになってしまったものだから、たまたま中古の美品で見付けた、この2台目を導入しました。 一時期は、TR−707の代替として、上で紹介したTR−09を使用していたんだけど、アレはTR−707の前モデルのTR−909の復刻版なので、細かいリズムのプログラミングには機能不足で、1年ぐらいで投げました。(笑) 同じローランドのオールド・リズム・マシーンでもこの2つ前の「TR−808」(通称ヤオヤ)あたりになると、まだPCM音源でないがゆえに独特な音色感があって愛好者も多く、中古市場なんかでは「超プレミア付き高値」で取り引きされちゃったりする。このTR−707も、完全にPCM化された音源ゆえに一時期は全く「無視」されていたんだけど、近年になって再評価されてきていますね。 なんでともべが今だにコレを使っているかとゆーと、「コレじゃないと自分のリズムがプログラミングできないから」(笑)です。実はともべの作品はぜーんぶ、コイツでリズムの打ち込みをしてたの。 なぜかっていうと、「音のタイミングが自然」だからです。超シンプルな操作性の割には、打ち込んだ音の打点タイミングやアクセントが機械的ないわゆる「タテノリ」にならない。むしろ「ヨコノリ」。もしかしたら内部的に何らかのクォンタイズ・ロジックを持っているのかも知れないですね。 だた内蔵音源だけは「いかにも古い」ので、これで打ち込んだMIDI情報をCubaseに転送して、そこでソフトのドラム音源を鳴らしています。キーノート・ナンバーがちょっと違うので、案外面倒なんだけどね...。 一生涯使い続けたい、愛すべき「オールド・マシン」です。 |
E-MU : ウルトラ・プロテウス (上から順番に) |
アカイ ; S−2800 |
E−MU : ESI4000 |
いっかにも古いっ!!ウザいっ!!(笑)といったカンジのオールド・モジュール群でございます。 いかにレコーディング環境がPC化されたとはいえ、「じゃー、レコーディングはぜーんぶPC1台だけで」の発想には、やっぱ付いていけないのですね。特に、音源は重要。PC内臓のソフト・シンセって、どーも中途ハンパで、「音としての質感」が決定的に足りなくて、やっぱあれだけで音楽を創る気にはとーてーなれない。(全部とは、言いませんが...) ソフト音源は、音を単体で聴いたときにはそこそこ感じ良くても、全体のオケに入っちゃったときの音の存在感や立ち具合が、圧倒的に不足していると一般的には感じています。 前述のアナログ・シンセ群もそーですが、このデジタルのオールド・モジュール群も、例えば「1台に決定版の音が1つでも」あれば、やっぱ残っちゃいます。レコーディング環境がいかにPC化されても、レコーディング・ソースの音はやっぱ最重要だと思うのです。 |
ローランド : (上から)TR-09、VP-03 |
ローランドが往年のアナログ名機を、最新のデジタル技術を使用して復刻してしまう、Roland Boutiqueシリーズ。復刻の元モデルは下記です。 TR-09: リズムマシーンTR-909の復刻 VP-03: ヴォコーダー・プラスVP-330の復刻 そもそもが、ヴォコーダーが欲しくてVP-03を購入して以来、TR-707をリプレースするためにTR-09を導入して、このRoland Boutiqueシリーズの完成度の高さにすっかりトリコになってしまいました。 最近の「デジタル技術でアナログを復刻する」テクノロジーって、ほんとスゴいです。ひと昔前だったら、アナログ・シミュレーションのデジタルシンセって、「やっぱ、音はアナログとは違うよなぁ〜...」だったのが、今では「音、アナログそのものじゃん!!」なんだから。 このRoland Boutiqueシリーズも、小型化されてスタジオの場所も取らないし、レコーディングで「ちょっとした音創りがしたい」場合に、とっても重宝しています。 |
ローランド : FantomーX6 Audio Track Expansion |
見た目はフツーのシンセですが、コイツの内部仕様はかなり「巨大」です。(まあ、当時としては、ですが...)シンセ&サンプラー&レコーダー&シーケンサー&コンピュータが一体化した、完全な「ワークステーション」です。 で、ともべはコイツを主にライヴ用として使用しています。レコーダー部分にPCから読み込んだバックグラウンド・オケをロードして、サンプラー部分にアナログ・シンセから移植したサンプルをセットして、ライブで演奏しています。 ちなみにともべのFantom−Xは、内部メモリをフルに拡張して、オプションのサウンド・カードを4枚フルに差して、さらにフラッシュ・メモリカードも装着して、完全なフル・スペック仕様にしました。 さらにともべのFantom−X、ハードウェアは確かにローランドなのですが、上記のやうな使用法をしているがために、「出てくる音は全部コルグ(笑)」です。なんかヘン...。 |
HPのレコーディング用 Windows10 デスクトップPC |
2014年末に、遅ればせながらレコーディング環境をDAWで完全PC化しました。PCはHPのデスクトップで、CPUはCorei7、RAMを16GB積んでます。 そこに、マルチトラック・レコーディング・ソフトとして、スタインバーグのCubase PRO 12、マスタリング・ソフトとして、同じくスタインバーグのWaveLab PRO 11、ソフトシンセとしてコルグのレガシーコレクション等を搭載しています。 オーディオ・インタフェースはスタインバーグ純正のUR-RT4を使用しています。 DAWを導入した効果は素晴らしく、作業の効率化によりレコーディング期間が約1/10以下に短縮されたばかりでなく、音質的にも32bit floatで全ての内部処理が行われているために、完成度が格段に高くなりました。なんといっても「トラック数はスペック上無制限」は、最大の魅力です。マルチトラック・レコーディングからミックスダウン、マスタリング、CD作成までフル・デジタル処理の完全テープレス、ケーブルレスを実現して、レコーディングの世界観が全く変わってしまいましたね。 |
アープ(コルグ) : オデッセイ・モジュール Rev1 |
2018年1月に導入した、比較的新しいシンセです。 伝説の銘機、アープ・オデッセイをコルグが完全アナログで復刻させた、そのモジュラー・タイプ(鍵盤なしバージョン)です。 最初は「良いリード・シンセが欲しいなぁ〜」とか思って購入したのですが、いざ実機をいじってみると、ピッチの振れ幅も激しく、リード・シンセとして使用するのは、かなり難しいと思います。ただ。コレで強烈なリードを採っているアーティストもいるので、これからの研究課題です。あと、シンセ・エフェクトとしては実に多様な音が出ます。「エフェクト専用のシンセ」としては、ライバル機のミニムーグとは完全にコンセプトを異にしています。 実際にレコーディングで使用してみて、これで作ったエフェクト音は音のツブ立ちが良く、オケの中での存在感がとってもあります。 最初は「こんな変なシンセ、一体何に使うのぉ〜??」(笑)とか思っていたのですが、今となっては自分の音楽の幅を広げてくれる、重要な1台です。 いかんせんレトロなシンセなので、デザインはこのRev1が一番好きです。 |
コルグ : モノポリー (上) |
コルグ : ポリシックス (下) |
この2台、共にコルグから1981年に同時に発表された兄弟機で、パネル・デザイン等外観も統一されています。2台並ぶともう「壮観!!」の一言に尽きます。すらっと並んだツマミ類なんか、「いかにもアナログシンセ」ってな感じ。 ...で、肝心の音の方はとゆ〜と、モノポリー、すんげぇ強力です。なんせ、4VCOですぜぇ〜。普通の国産モノシンセだと、フランジャーかなんかカマして音に厚みを付けてやらないと、「リードではちょっとな〜...」ってな感じも多いんだけど、コイツは余計なエフェクターは何にも要らないです。ディレイだけで十分!!な「超暴力的最強」のリードシンセです。 ポリシックスは説明不要でしょう。「国産ポリシンセ史上最高の銘機」です。コイツのストリングスとブラス、それにオーケストラ・サウンドがないと、ともべの音楽はセッタイ成り立たないぐらい、所有機材の中では最重要な1台です。 |
ハモンド : XM-1 |
これも今となってはそーとー古い機種なのですが...ハモンドオルガンの音源モジュールです。レコーディングでのハモンドオルガンは、全てコレを使ってします。発売されたときは、狂喜しました。敬愛するプロコルハルムのオルガン・サウンド、出ちゃいます。それだけでもう、感激...。 ドローバーはやっぱ下4本フルに引っ張って使わなきゃ....なーんてね。 あと、その後に手に入れたレスリー・シミュレーター「VENTILATOR U」を通すと、さらにモノホンのハモンドの音になります。 |
ローランド : RD-800 |
打ち込みや音源モジュールをコントロールする、マスター・キーボードです。2017年5月に、同シリーズのRD-600からアップグレードしました。 そもそもが2017年に半年ほど、先生に付いてピアノのレッスンを受けていた時期があって、「ピアノを練習するんだったら、もっとタッチの良い電子ピアノが欲しいよぉ〜...」と思ったのが、リプレースの発端でした。 88鍵あって鍵盤のタッチもRD-600よりはるかに良いし、最近の電子ピアノなのでサウンドもとっても良いです。さらにMIDI関連の機能も充実していて、マスター・キーボードとしてとても気に入っています。 |
ドイプファー : A-100 BS |
ここまでくるともうほとんどマニアック...ご覧の通り、れっきとした純アナログのパッチ式モジュラーシンセサイザーでございます(合掌)。 で、なにがい〜かとゆ〜と、モジュラーシンセは、音声としての電気信号と、制御電圧としての電気信号、この2つのモジュール内での扱いが、全く同等なんです。だから、あらゆるモジュールの出力を自由に加工して、それを他モジュールに制御電圧としてブチ込んでやる、なんてことはモジュラーシンセじゃないとできないワケです。だから音の自由度が圧倒的に高くて、「パッチ方式でないと出せない音」が山ほどあると痛感させられる一台です。 ちなみにこれはドイツ製です。 |