The Dust Show Live @ Caddgan Hall 2016
 2018年
 アルバム「DUST」のリリースに合わせた2016年のライヴを収録したDVD。どうやら来日公演の直前の映像らしい。
 ただし来日公演とは違い古い曲は一切演奏されず、コンサート前半は「Journey's End」から「The Bridge」までの曲、後半で「Dust」を全曲演奏している。
 ジョー・ペイン時代の最後のライヴ・パフォーマンスとしての出来は素晴らしく、バンド演奏とPCによるバッキング・トラック、ステージ後方の巨大LEDスクリーンの映像、そしてJ.ペインのパフォーマンスが一体化した、正に「総合芸術の頂点」である。1つのストーリーが、まるでミュージカルのステージのように劇的に展開される。もはやこれは完全に「既存のプログレの範疇ではない」。
 「シンフォニーのロック化」と、本作の「オペラのロック化」の両方で頂点を極めてしまったエニドは、J.ペインの脱退を経て、次はどこへ行こうとしているのか?動向が注目される。
 Something Wicked This Way Comes
Live at Claret Hall Farm & Stonehenge 1984
 2016年
 過去にリリースされた1984年の「Claret Hall Farm」と「Stonehenge」のライヴ映像のDVDに、それぞれの音声トラックが2枚のCDとして付属した、お得盤。
 特にこのライヴ演奏のCD化は初なので、1984年のライヴ演奏が、CDプレーヤーで聴けるのは嬉しい。
 The Bridge Show Live At Union Chapel
 2015年
 2015年末時点での、エニドのライヴ作品の最新作。しかも映像DVDに同音源のCD2枚がセットになった、豪華盤である。
ジョー・ペインをリードボーカリストとして迎え、遂にライヴ・パフォーマンスにおいても完成の域に達した感がある。ステージ後方にはLEDによる巨大スクリーンが配置され、ストーリーに関連した映像が写し出される。ステージは2部構成で、最新アルバムと旧アルバムからの楽曲をドラマティックに再構成し、全体として1つのストーリーを形成する、「ロック・オペラ」的な手法が取られている。演奏目、視覚面で統一したコンセプト感があり、もはやこれは「総合芸術」といっても過言ではないであろう。
現在もエニドは英国においては「プログレッシヴ・ロック・バンド」の1つとしてカテゴライズされているが、他のプログレ・バンドとはもはや明らかに「別次元」であることを、ハッキリと感じることができる作品である。
 en concert a Crescendo Festival 2014
 2014年
 エニドの2014年、クレッセンド・フェスティバルなるプログレ・フェズのライヴ・パフォーマンスを収録したライヴDVDである。
ジョー・ペイン加入後のオフィシャルなライヴ映像としては、本作が初となる。いままで長年インスト・バンドとして活動してきたエニドが、強力なフロント・マンを得た効果というのは、やはり大きい。「今までとは別のバンド」と言っても過言ではない感がある。映像も美しく、エニドが新しいステージに突入したことを示す、好作品。曲目も新旧取り揃え、なかなか楽しめる。
リード・ボーカルのJ.ペインは、ボーカルの他、インスト曲ではウィンド・シンセも担当している。視覚的には良好なのだが、指の動きなんか見ていると「ほんとに吹いてる??」(笑)
また、本作からは良好な画質を生かしてBlue−Rayでもリリースされている。
 The Enid 40 Years
 2013年
 バンドの結成40周年を記念して、2000セット限定でリリースされたボックス・セット。セットの内容は、1stと2ndのオリジナル・バージョンにボーナス・トラックを加えた2枚のCDと、主にインタビューでエニドの生い立ちが語られるドキュメンタリーDVDが1枚。CDの方は特に目新らしい要素がないため、映像作品のほうに入れさせて頂いた。
 肝心のドキュメンタリーDVDの内容なのだが、主にR.J.ゴドフリーによって、多少他のメンバーも交えながら、バンド創成期の歴史が語られている。このビデオで本当に驚くべきは、バンドが生まれた施設「フィンチデン・マナー」で閉校時に上演され、バンドが生まれるきっかけとなった楽劇「The Quest for The Holy Grail」の録音が、楽劇ステージのフォトと合わせて多く収録されている点である。「こんなもん、残っていたんだぁ〜!!」と、驚きを隠せない。
また、この録音の内容から判断して、エニドの1stと2ndのメロディーのモチーフは、全てこの楽劇の音楽から取られているという事実!!バンド結成40年を経て、初めて謎が明かされた感がある。
ファン限定でも良いので、「The Quest〜」の録音、フル・バージョンでリリースされませんかねぇ〜??(聴きたいっ!!)
B
A
@
A
@
Hammersmith Odeon Fryday 2nd March 1979
2010年
エニド・ファン驚愕の発掘映像!!かの「Live At Hammersmith」のコンサート映像である。
そもそもは当コンサートをPyeレーベルは、映像作品としてのリリースを企画していて、撮影が取られていた。Pyeの倒産によりリリースはお蔵入りとなったが、そのビデオのラフ・ミックス版をF.リカーリッシュがたまたま個人所有しており、めでたく正規リリースとなったものである。
コンサート本編から「Albion Fair」がテクニカル上の問題で収録されていない点は非常に残念だが、その代りアルバムには未収録のデイヴ・ストーレイのソロ・パフォーマンスと、「Wild Thing」が収録されている。音声トラックは基本「Live At 〜」の音声を被せてあるようだが、当アルバムも元々はこのビデオの音声のために作成された、という話なので妥当であろう。ラフ・ミックスのためアングルの採用には多少不満があるが(ギターがリードを取っているのに、他のパートが映っているなど)、この時代でこの画質であれば、十分満足である。
映像内容自体は正に圧巻!!バックグラウンド・テープを一切使用せず、全て生演奏であのシンフォニック・ロックをステージで完全再現するエニドの、唯一残っている勇姿である。山のように積み上げたキーボードの要塞の上を、2人〜4人のキーボーディスト、つまり最大8本の腕が変幻自在に駆け巡る。過去のどのバンドにも、絶対にありえなかった前代未聞のキーボード・プレイ・スタイルである。
また、F.リカーリッシュとS.スチュワートのツイン・ギターを弾く姿は、当時はアイドル的側面もあったであろうことを物語っている。
英国国旗を客席で振り回す観客の熱狂ぶりや、ラストの「希望と栄光の国」の大合唱など、当時「英国最大のカルト・バンド」とメディアに言わせしめた様子が、良く判る作品である。
@ Stonehenge
1985年
A Stonehenge Free Festival
1990年
B Stonehenge
2008年
(@)は前述の「Claret Hall Farm」と同時にベータとVHSでリリースされた、フリー・フェスティバルのライヴ映像。エニドの他に、ロイ・ハーパーとホークウィンドのステージが収録されている。エニドは4曲のみの収録のため、かなり物足りない。
それが、(A)となって、おそらくは、ほぼステージ完全収録であろう版がリリースされた。こちらもまだ、VHSテープである。特筆すべきは、1stアルバムのB面の楽曲群を新アレンジで丸々収録してある点と、「The Spell」から「Summer」を収録している点。こちらも相変わらずバックグラウンド・テープの多用はあることながら、インパクトのある演奏が聴かれる。前述したDVD「Something Wicked This Way Comes」でDVD化されているが、なぜかDVDには「Sunrise」1曲だけが未収録である。
さらに、当コンサートがDVD化されたのが(B)。こちらはエニドの他に、ホークウィンドとヒア&ナウのステージを収録している。エニドは2曲のみだが、なぜか「Something Wicked This Way Comes」(曲名のほう)の演奏は、このDVDにのみ収録されている。ただし他の2本とは違いどこまで正規の映像なのか??と疑ってしまう程、音質、画質ともにブート並みによろしくない。
Live at Town Hall Birmingham
2011年
現在までのエニドの、最新ライヴ映像作品。ハイ・クウォリティー・ビデオで撮影されており、画質は非常に綺麗である。
前半で最新作「Journey’s End」の完全再現、後半で1stと2ndの曲を演奏している。特に2ndの曲ではF.リカーリッシュがゲスト参加しており、ブラス・セクションとパーカッションによるオーケストラも導入され、名曲「Fand」の、2010年拡大バージョンなどが聴ける。他にも名曲「The Lovers」のピアノ・ソロ演奏など、ファンには涙ものの内容である。
ただ、例によってライヴの映像作品として鑑賞するにはややつらい点もある。現代」のテクノロジーを反映して、PCによるバックグラウンド・オケが大々的に導入されており、箇所によってはバンドとオーケストラとPCの3者が完全に同期を取って演奏している。「弾いていないハズの音が鳴っている」ケースがあったりするので、「どこまでが生のライヴなのか??」観ていて頭が混乱してしまう印象がある。
なお、DVDはPAL版のみで、NTSC版はリリースされていない。
@ Claret Hall Farm
1985年
A Something Wiched This Way Comes
2004年
(@)はベータとVHSでリリースされた、エニド初の映像作品。前半にコミューンでの野外ライヴ、後半にスタジオ・ライヴを収録している。R.J.ゴドフリー、S.スチュワート体制の時代で、ドラムスはクリス・ノースが担当している。
冒頭いきなり「Fand」で幕を開ける以外は、当時の最新作であった「Something Wiched This Way Comes」からの曲で占められている。また、ラストのアンコール曲は、このビデオ以外では未発表の曲で、何か既存のクラシカルな楽曲のアレンジ物と思われる。(エニド以外のバージョンを、耳にしたことがあるので)
この時期からエニドは、コンサートでバックグラウンド・テープを多用しており、弾いていないキーボードの音が聴こえる、ギターが1本なのにツインで鳴っている、ボーカルが一人なのにブ厚いコーラス・ハーモニーになっている、などなど...ライヴとして観るのは、ややつらい面もある。
(A)はこのDVD化。「Claret Hall Farm」以外に、後述する「Stonehenge」も収録している。ただ、オリジナルに比べ若干映像が暗く、やや見づらい感じはする。

6.ビジュアル編

 

 

 

 

 

 

 

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エニド完全ディスコグラフィー
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