Arise And Shine 3 〜 Shining
 2012年
 上述の旧曲再レコーディング・シリーズの第3弾。これもコンピレーションに入れるか??新作として扱うか??微妙な作品。
 本作では、「Something Wiched This Way Comes」以降の、比較的新しめの楽曲をリメイクしている。また、リードボーカルのジョー・ペイン加入後初のアルバムでもある。
ただ、専属のボーカリスト初加入とあって、オリジナルではインストであった曲も、全て歌詞を付けられて歌モノ化されている。このあたりが多少違和感があって、「やっぱインストの曲は、インストのままが良かったよぁ〜」と思ってしまう部分もある、罪なアルバムでもある。特に組曲「スペル」の大団円「オータム」にまで歌詞が付いちゃうと、まあ、コレはコレで悪くないんですが...微妙です。(笑)
オリジナルから歌モノだった曲も、ジョー・ペインのボーカルで再度歌われていて、う〜ん、確かにとってもウマいんだけれど、やっぱオリジナル・バージョンに愛着が...なんて。「刷り込み」って、コワいです。(笑)
A
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A
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A
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C
B
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A
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@ Sheets of Blue An Anthology 1975−2004 A同 1977−2008
2005年  2008年
この2枚、見た目はそっくりだが、実は内容が違う。年代が(@)は1975−2004で、(A)は1977−2008。ジャケットの色合いも、微妙だが違っている。
そもそもは、2005年に(@)がリリースされ、これはCD2枚組に過去の全アルバムから1〜3曲ずつ選曲して収録した内容だった。特に、アルバム「Liverpool」から「Nimrod」が選曲されているところがミソ。
これが2008年に入って、ひそかに改訂版(A)がリリースされてしまった。収録楽曲を若干減らし、場合によっては他の曲を採用し、その代りアルバム・ラストにこの時点での唯一の新曲であった「Malacandra−The Silent Planet」を収録している。
これは後にアルバム「Journey’s End」の中核を成す曲なのだが、ここに収録されているのはその初期バージョン。最終版とはテイクが違うためか、まだ発展途上な印象も受ける。
純粋にコンピレーションとして楽しむのであれば、(@)のほうが良いかも知れない。ただし、(@)のCD1の10曲目にクレジットされている「The Dreamer」は、制作上のミスか、収録されていない。
Tears of The Sun
1999年
「White Goddess」リリース後に発表された、コンピレーション。初期作からこの時点での最新作まで、まんべんない選曲で網羅されている。
内容的に特筆すべきは、新曲の「Tears Of The Sun」を収録してある点で、この曲が聴けるのは本作のみである。この時点での最新作「White Goddess」から代表的なモチーフをつなぎ合わせてシンフォニーとして再構成したような曲なのだが、なかなか良い出来の曲である。
また、「Evensong」でサックスがリードを取るバージョンも、この時期では本作のみが収録していた。
「Land OF Hope And Glory」のライヴ・バージョンがここでも収録され、なかなか内容の良いコンピレーションだと思う。
Anarchy on 45
1996年
エニドのコンピレーション・アルバム中、最大の問題作。オリジナル・リリースのジャケットが(@)で、過去のシングル曲を2枚のCDに全て収録した、という触れ込みだったが、これが大違い。シングル曲を元に再録音がなされた曲は、全て再録バージョンが収録されている。さらに、再録がなされていない曲に関してはアナログ盤起こしなのだが、これがあまり音質がよろしくない。期待に胸をときめかせて本CDを聴いて、本当にガッカリした記憶がある。
ところがこれが国内盤紙ジャケ化された際のジャケットが(A)。よもやと思って期待はしていたのだが、上記で再録音バージョンで収録されていたものが、見事にオリジナル・バージョンに置き換えられている。アナログ盤起こしの曲も、音質良好に再カッティングされ、正に拍手喝采の出来栄えとなった。
ただ、上記の(A)でも、厳密に言えば1stシングルのEMIオリジナルでの収録はこの時期には無理だったようだし、本当のシングル音源とはミックスの点でバージョンが違うものも存在するのだが、この際細かいことなので、許容の範囲内である。
従って、中古CD等で購入する場合には、(@)はお勧めしない。(A)に限って、購入することをお勧めする。
Healing Hearts
1996年
英国のヒーラー、マシュー・マニング名義による、エニドの楽曲から「ヒーリング効果のある楽曲を集めた」コンピレーション。(これらの楽曲が、どこまでヒーリング効果があるかは、疑問ですが...)
内容で特筆すべきは、R.J.ゴドフリーのソロ名義でカセットテープのみでファンクラブ・リリースされていた「The Music Of William Arcle」から、「Seascapes」という1曲が収録されている点で、CDで本曲が聴けるのは、この時期には本作のみであった。ストリンス・シンセがメインの静かな曲だが、ノイズ成分の多いシンセの使い方が、エニドの場合とはまた違って興味深い。
ただその他には、特筆すべき点は存在しない。
Members One of Another
1996年
ファンクラブの選曲によるコンピレーション。「Nimrod」のスタジオ・テイクが、本作で初めてCD化された。しかしながら、それ以外で内容的に特筆すべき点は、特にない。
Sundialer
1995年
「Tripping The Light Fantastic」の後にリリースされたコンピレーション。新曲1曲と、「Salome」以降の楽曲のリミックス・バージョンを収録している。
唯一の新曲「Sundialer」は、アルバム「Tripping The Light〜」の収録曲のモチーフを集めてつなぎ合わせたような、変わった曲である。他の収録内容も含めて、完全な新作リリースまでの、間に合わせリリース的な印象がやや強い。
@AAn Alternative History Vol.1 B 同 Vol.2 C 同 Vol..3
1994年
エニドがアナログ盤でのみリリースした、貴重音源のコンピレーション。各盤プレス数は1000枚で、ジャケット裏面にはシリアルナンバーと、直筆でR.J.ゴドフリーにサインが記されている。当初は「Vol.10まで出す!!」というゴドフリーの意気込みであったらしいが、結局Vol.3までで頓挫してしまった。
各枚ジャケットは色違いで、中のレコードもジャケット色に合わせたカラー・レコードである。また、Vol.1と2が国内盤紙ジャケでCD化もされているが、@がオリジナル・アナログ盤の緑色ジャケで、AがCDの青色ジャケ。CD化に際しての色の誤りは、実はR.J.ゴドフリーがWHDエンタテインメントの担当者に対して「Vol.1のジャケット色は青だ」と誤って証言してしまったしたことによるらしい。
内容的には、Vol.1(@、A)が通称「クランブルック・テープス」呼ばれている、エニド結成前の1st曲のデモテイクや、「The Lovers」のアビーロード・スタジオでのピアノ・ソロ演奏などが含まれており、最も貴重度が高い。
Vol.2(B)はシングル曲やR.J.ゴドフリーのソロ作からの曲の他に、「Fand」のEMIオリジナル・バージョンのラフ・ミックスを収録している。確かに当時、EMIバージョンは希少だったはずだが、どこまで「ラフミックス」であるかは定かではない。聴感上あまりオリジナルとの違いを感じないので、権利の関係で「ラフミックスを銘打った」可能性もあるかもしれない。
Vol.3(C)は国内盤紙ジャケでもCD化の対象外となっているが、何のことはない、1985年版「Fand」をそのまま収録してあるだけである。「当「Fand」はファンクラブ・リリースでプレス数が極端に少なく...」といったことらしいが、まあCD化の必要はないだろう。
Liverpool
1986年
エニドのアルバムで、希少価値のプレミア物といったら、本作が筆頭かも知れない。エニドがコンサート会場で配布したのみという、プレス数が700〜800枚と言われている幻の1枚。基本的にはノン・タイトルで(@)、「Liverpool」というタイトルは、おそらく後付けである。ジャケットには「Promotional Use Only Not For Sale」のシールが貼られている。筆者も本作を中古レコード店で何も考えずに購入し(しかも安価で)、本盤が希少価値であるということはエニドのサイトで後から知った。
内容的には、アルバム「Something Wicked〜」から「Salome」までの楽曲からセレクションされて収録しており、特筆すべきはエルガーの「Nimrod」のスタジオ・テイクが収録されている点。後のコンピレーションに収録されるまでは、これは本盤が唯一であった。
ジャケット(A)は、Innner Sanctumレーベルがアナログ盤起こしで、半ばブート的にCD化してしまった際のジャケット。参考までに掲載しておく。
Lovers and Fools
1986年
エニドが「Salome」期にリリースした、LP2枚組のコンピレーション。彼らの楽曲の中から、比較的おとなし目の曲を中心にセレクションして収録している。但し未発表曲等は全く含まれてあらず、内容的にはあまり魅力を感じない1枚かも知れない。
本作はいままで1度のCD化されておらず、またオリジナルのアナログ盤はプレス数が少ない上にジャケット・アートが美麗であるため、もしアナログ盤を発見したら希少価値かも知れない。
The Stand
1985年
初期エニドの貴重音源をファンからの要望に応えて収録した、コンピレーション・アルバム。シングル曲と未発表曲、それにR.J.ゴドフリーのソロ作からの選曲となっている。ファンクラブ限定リリースであるため、エニド名義ではなく「The Stand」名義となっている。
思えば、エニドのシングル曲がオリジナル盤以外で聴けたのは、本作が最初であった。但し、「Skyebort Song」や「Golden Earring」などは、厳密にはオリジナル・テイクとは別ミックスである。また、未発表曲には現在でも本作でしか聴けない曲が含まれており、現在でも重要なコンピレーションといえる。
本作は国内盤紙ジャケも含め、アナログ盤起こしでCD化もされている。
@Arise and Shine Vol.1  A同 Vol.2 ー Risen
2009年  2011年
コンピレーション編に入れるかどうか??非常に迷った2枚。実はこれ、純然たるコンピレーションではない。過去のエニドの名曲を、現行のメンバーで再レコーディングした、セルフ・カバーの新録音盤。
そもそもが現在のエニドがコンサートで旧曲を新アレンジで演奏していて、「この新アレンジの、スタジオ・テイクが聴きたい!!」というファンの熱烈な要望に応えたもの。
Vol.1(@)では、比較的新しい曲が選曲されており、昔の曲は「The Last Judgement」と「In The Region Of The Summer Stars」の2曲だけだった。
それがVol.2(A)になって、全曲古いナンバーのリメイクのオンパレードとなり、ファンを狂喜させた。「Dambursters March/The Land Of Hope And Glory」の新バージョンまでもが収録されている。
このセルフ・カバー、全体的にアレンジはよりシンプルになり、オーケストレーションもオリジナルよりかなり控え目である。また、PC打ち込みの多用も見受けられる。
現在のエニドが旧曲をライヴでどのように演奏しているか知りたい向きには、恰好のアルバムと言えるかも知れない。
3.コンピレーション・アルバム編

 

 

 

 

 

 

 

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